-羽後高校Project 西田俊 2021
Q1. プロジェクトの魅力を教えてください!
羽後高校プロジェクトは、スピード感のあるプロジェクトだとよく言われます。
2019年に始まったばかりのプロジェクトであることと、理解のある土壌(挑戦を受け入れてくれる文化)が羽後町にあること、この二つが合わさってそう言われているのだと思います。
立ち上がって間もないプロジェクトであるため、仮説検証のためにさまざまな活動を行なってきました。(総合の時間、放課後、学外サークル、中学校、、)
挑戦をする中で失敗やうまくいかないこともありました。トライアンドエラーを繰り返す中で急成長しているプロジェクトだと思っています。
今期も進展が多くあり、現地での滞在場所であるKEIOハウス、高校の中での活動拠点となる教室、生徒/先生方と密な連絡手段など、さまざまなものが整備されました。そんな中でも今期の大きな出来事として、4者会議があります。
役場(町長)、高校(校長)、大学(先生,学生)、NPOの4者が集まり、今後の方針を話し合う会が複数回にわたり設けられました。
今年は、役場や学校の合意のもと活動の方向性が定まっていく年です。
活動をしていく中で、どうしても大学生だけでは変えられない制度や制約の面もありました。
もちろん今後も学生の挑戦を受け入れてくれる環境はある一方で、
それぞれのセクターが合意した一本の活動方針が打ち出される、そんな心強さも生まれたプロジェクトです。
Q2. フィールド先で印象に残ってることはありますか?
現在、羽後町に長期滞在をしているのですが、1番に感じることは「文化の違い」です。
神奈川県から道のりザッと600km、気候も風土も歴史もなにも違う、まさに”異文化”の土地です。
なので、1日1日が印象深い出来事の連続でした。その地域に『住む(すべての時間を注ぐ)』からこそ、見えてくる”意識すらされない異文化”を感じることができました。
その中で何か一つを挙げるとすれば、『小さなコミュニティ』ですかね。
羽後町は個人経営のお店が多く、そのお店がもう一つのコミュニティになっているんですよ。
クリーニング屋、金物屋、床屋、喫茶店、商店、飲食店、、、どのお店にも常連さんと店主の間には お客-店員以上の関係がありました。
コミュニティセンターや〇〇サロンがなくとも、人と人とが関わる空間その役割をお店がすでに担っていたのです。
「たくさん貰ったから〜」「これ好きって言ってたよね〜」「これも持ってけ〜」などなど、お互いにあげる、もらう中でお金を介さないけれど誰も貧乏にならない社会(むしろ心の面で裕福かも)、町の中の小さな小さなコミュニティの存在が強く印象に残っています。
もちろん、滞在をする中で印象に残っていることは、”キレイなもの”だけではありませんでした。大学のように理想を語っているだけでは生きていけない、現実を生きているからこその厳しい側面も多く見てきて印象に残っています。これに関しては、いつか同じゼミ生となった時にたくさん話しましょう!
Q3. コロナ禍で一年活動していて、感じた変化などあれば教えてください。
自分も例にも漏れずオンラインで丸々一年を過ごしてきた学生の一人でした。
画面越しの大学生活を通じて、この状態で学年を進めることに怖さを感じていました。
せっかくSFCに入学したのに、興味のなかった分野との偶然の邂逅がほとんどない!
実感の伴わない活動のまま、研究分野を確定させることへの違和感!
この思いから、現在あえて“休学をして”フィールドワークをしています。
コロナの中で感じたことは、『関係性がある人とオンライン化』はあまり問題がないが、『初対面の人とのオンラインは難しい』というものです。
羽後Pメンバーが全員2020年春以降に滞在を希望したのはそのためかもしれないなと思っています。
今まで以上に短期的な滞在が難しくなってしまった一方で、オンラインだけだと少しもどかしい部分もある。その結果羽後高校プロジェクトのメンバーは長期滞在を希望する人が多いのではないかと感じています。
少し話題が変わりますが、今年の5月から羽後高校でもクロムブックが本格導入されました。
生徒一人に一台支給されたため、オンラインの中でもあまり不自由なく生徒とコミュニケーションが取れるようになると思います!
Q4. 羽後高校Projectはどのような未来を見据えていますか?
私たち羽後高校プロジェクトは、『高校魅力化から始まる創造的で持続可能なまちづくり』というものをビジョンに掲げて活動をしています。
Q最後に、羽後高校Projectに興味を持って頂いている学生の方に一言お願いします。
についてはすでに吉田悠馬が残しており、これより上手にまとめられる気がしないのでこちらをご覧ください。?♂️
羽後高校プロジェクトを検討している方へ
これを読んでいる方の中には、フィールド先に気軽に通えないことを懸念している方もいることと思います。
え、「メンバー全員が長期(1ヶ月以上)の滞在経験あり」ってなにごと??と不安になる方もいるかもしれません。
少なくとも当時の自分ならそう思っていました。
ただ、今は「フィールド先が遠く羽後町であることは悪くないかも」と思っています。
確かに、往復1000kmとなると気軽に通うことは難しいです。日帰りも厳しいでしょう。
一方で長期休暇や休日に要所要所に目的を持って向かうことはできます。
クロムブックの支給により、生徒一人一人とオンラインで繋がることも可能です。
1年間活動する中で自分は、秋田県で活動する利点を「文化が違う土地」という点に見いだしました。
遠いからこそ文化/価値観の違いを感じながら活動できます。今まで見てきた自分の文化/価値観とは違う世界で活動をすること(比較しながら活動できること)は、自分や自分の研究にとって大きなメリットだと感じています。
先輩方が作ってきた信頼や挑戦を受け入れてくれる環境のある羽後町です。
ぜひ一緒に活動しませんか!