Community Design Project 黒﨑久留海

Qなぜ長谷部研究会に入ったのですか?
また、数あるプロジェクトの中からどうしてCDPを選んだのかということを教えていただきたいです。

私が長谷部研究会に所属しようと思ったのは、自分の持っている教育観や異文化コミュニケーションの概念や感性が長谷部研究会と一致したからです。その当時、教育に携わっていきたいと考え始めていて、特に地域教育に興味がありました。そこで見つけたのが長谷部研究会でした。

そして、2018年の秋学期に長谷部研究会のCDPに所属しました。SFCに入学後は、地域の難民のことや海外経験のある子どもの支援をしたいと考えていて、授業を選び受けていたのですが、あまり自分の興味分野と合っていないことに気づきました。そして、CDPに所属をし、活動を行っていく中で、自分にとって身近な場所で、人同士の異文化を感じられることの方が良いと考えるようになりました。だからきっとCDPに惹かれたのだと思います。身近な人と関わりながら、見えてくる人同士の違いに気づいて異文化の面白さを感じました。

QCDPの魅力を教えてください。

2020年秋学期にCDPの先輩とYAP(ヤングアメリカンズプロジェクト)の先輩とお話をする機会がありました。その時に、先輩の研究会やプロジェクトに対する熱いお話を聞く中で、先輩方に感銘を受けて大号泣をしました。プロジェクト活動を通して、ありのままの自分いられること、そして人と真剣に向き合っていく「長谷部研究会DNA」が受け継がれていることをお話の中から感じ取ることができました。何事も相手の目線に立って考え、地域の方とのコミュニケーションのとり方が今でも受け継がれていることが脈々と伝わってきました。また、私はCDPのメンバーの温かさをとても感じています。人の意見を否定する先輩は誰もいないし、話したことに対して一度は肯定して受け入れ、仲間としてのアドバイスを伝えてくれます。さらに自分が本当に何をしたいのかを深掘り引き出してくれる、仲間の存在がとても大きいです。これは、CDPのメンバーの良さだと本当に感じています。だからこそ、私はCDPがとても大好きです。最後に、遠藤地区についてお話します。遠藤地区の方々は、地域内の行事や大学生の活動に積極的に協力してくださる方がとても多いです。以前、遠藤地区の方に向けてインタビューをしている際に、「どうして、地域内の行事や大学生の活動を快く引き受け協力してくださるのか」という質問をさせていただきました。その時に、「過去に自分も遠藤地区の方に助けてもらった事があったから、自分も協力していきたいと思っている」と仰っていました。そこで初めて、なぜ地域内で積極的に協力し助け合っているのかが理解できました。私は、そこから、遠藤地区の方の思いや文化をSFCの中にも広げて残していきたいと強く思いました。改めてこの研究会に所属することができてとても良かったと考えています。

※ヤングアメリカンズプロジェクトとはCDPの前になる前のプロジェクトで、表現教育による若者のコミュニケーション能力向上の可能性を探っていたプロジェクト。YAPからCDPに変わるときに”それぞれ持っている魅力を引き出す”という理念が引き継がれた。

Q印象に残っているエピソードはありますか?

遠藤地区の方とのことと、プロジェクト内で一番印象に残っていることを話しますね。

遠藤地区の方の話を先にすると、遠藤地区内にある「もんのきの家」というコミュニティスペースで地域の方とお話をしている時に、「くるみ」と自分の名前を初めて呼んでもらえたときが一番嬉しかったです。

その時が、遠藤地区で活動する当事者意識がとても芽生えた瞬間でした。それまでは自分から積極的に活動していても、「あの人は誰だろう?」と思われているのではないかと感じていたし、永遠によそ者なのではないかと思っていました。でも、名前で呼んでもらえるようになってからは、1つ地域の方に認められた第一歩を踏めることができたと考えています。

プロジェクト内での一番の印象は、自分が入ったときの最後の研究会学期末合宿です。合宿時に各プロジェクトが全体に向けてプロジェクトプレゼンをする機会に、CDPのリーダー・サブリーダーと内容を作って発表を行ったさい、考え直すことがたくさんありやり直しをすることになりました。そのプレゼン後は、プロジェクトメンバー全員で夜な夜な話し合いをしました。後輩が作ったプレゼンに対して先輩が真剣に向き合ってくださったことがとても嬉しくて、そこから一気にCDPへの愛が更に深まりました。

一番大変だったことは、2020年春学期です。地域の方との関わりを自然にとれるようになった時に、コロナウイルス感染症が流行し始め活動が思うようにできなくなりました。その当時、私はリーダーを努めていて、遠藤のことを知り始めたから、うまく地域との繋がりを続けられるのかがとても不安でした。それでもZoomの使い方をプロジェクトメンバー全員で協力をして地域の方に伝えながらで繋いでコミュニケーションを取れるようになりました。実際に、遠藤地区に行って活動をすることができない中、オンラインで話す機会を諦めず作り続けたことが、結果として関係性を絶やさないということに繋がったのだと考えます。

Q最後に、CDPに興味を持って頂いている学生の方に一言お願いします。

2020年は、地域の方と一緒に新しいことを生み出していくことは大変難しかったです。それでも、つながりを絶やさないような工夫を一年してきたからこそ、2021年も状況を考えながら、地域と繋がれるきっかけをより大切にしていきたいと考えています。また、新たにSFC中高生と繋がれ始めているので、共に遠藤地区で関わる文化や魅力を残し広げて行きたいと考えています。私は、CDPに入って心から入れてよかったと本気で思っています。活動をすればするほど、遠藤地区や地域の方が大好きになりました。みなさんも、遠藤地区に一緒に行ってみませんか?