-Congo Project 小川雅人 2021
Q1. プロジェクトの魅力を教えてください!
プロジェクトの魅力として規模の大きさと “The one and only”性が挙げられます。
日本国政府が行う政府開発援助の一環として、JICAが実施する青年海外協力隊という海外ボランティア派遣制度があるのですが、鉱物資源の利権獲得を狙った紛争が続いていることや、情勢が不安定などの理由でコンゴ民主共和国への派遣が行われていません。実際に今学期、キンシャサでデモが行われるからという理由で予定していたオンラインイベントが急に中止になることもありました。コンゴPはコンゴ民主共和国と関わりを持ち、現地への渡航も行う日本の数少ない組織であり、この事実にぼくは魅力を感じました。逆に規模が大きいからこそ、そんな中でお金も専門性も持たない大学生に何ができるのか、どういう役割を持ちうるのかをもがきながら考えられるのもこのプロジェクトの魅力の一つだと思います。
Q2. フィールド先で印象に残ってることはありますか?
今学期の活動を通してコンゴ人が持つ陽気さやパッションがとても印象に残りました。コンゴPOGである高林さんが原宿で卒業制作物の展示会を行い、コンゴPメンバーはそこにお手伝いとして参加したのですが、ぼくが会場で流れていた音楽に乗っていたら、たまたまそれを見ていたコンゴ人が「いいムーブですね!ダンスバトルしませんか?」と食いついてくれました。また4日間に及ぶこのイベントが無事に終わった時、運営に携わっていたコンゴ人であるKileleさんから「Masato san、皆で踊るからビートの強い、イカした音楽かけて!」と言われ、高林さん、Kileleさん、コンゴPメンバーともう一人のお手伝いの方でダンスパーティーをし、ものすごく楽しかったのを覚えています!
コンゴ人はこんな陽気な部分に加えて自国を変えたいという強いパッションも持ち合わせています。今学期、コンゴ民でアントレプレナーシップを醸成するという目的でEntrepreneurship and Business Talk Eventというオンラインイベントを実施しました。そこでコンゴPが日本人ゲストを繋ぎ、コンゴのビジネスに興味のある方々に向けて、日本の起業家、日本のビジネスにおける精神性を講義して頂いたのですが、参加していたコンゴ人から日本のビジネスについて多くの具体的な質問が投げられました。また当イベントで参加者がグループを組み、ビジネスプランについて議論する時間があったのですが、予定されていた時間が30分オーバーするほど議論が白熱していた様子を目の当たりにし、コンゴ人のパッションや国に対する当事者意識の高さに刺激を受けました。
このイベントから、かつてコンゴ民に存在しなかったグループワーク、プレゼン資料を作成し記録に残すという文化がコンゴ民で育まれたということを知ることもできました。このように熱意のあるコンゴ人と歴代のコンゴPOBOGが長年かけて協働してきたことによって起きたソーシャルトランスフォーメーションのカタチを目の当たりにし、鳥肌が立ったのを覚えています。社会が変わる、社会づくりとはこういうことなのかという衝撃を受け、ぼくのハートの中の何かが反応したことも覚えています。
Q3. コロナ禍で一年活動していて、感じた変化などあれば教えてください。
ぼくは今年の春学期から長谷部研コンゴプロジェクトに所属させて頂いているのですが、入った当初、正直現地に行けない中でどのようにしてコンゴとコラボレーションできるのだろうかと疑問に思っていました。しかし、今学期を通してコロナ禍においてもコンゴとコラボレーションできる可能性があるということを見出すことができました。
上の図を見て頂けるとわかるのですが今学期我々はコンゴにある日本文化センター(CCJ)と協働し、Entrepreneurship and Business Talk EventとOnline Cultural Exchange Dayというオンラインイベントを実施しました。この二つのイベントは左側の目的に沿って、現状の課題を解消するためのイベントをオンライン上でできないかという、CCJのマネージャーであるMususaさんからの想いで始まりました。彼の想いをコンゴPがカタチにし、オンライン上でも、日本コンゴ間でコラボレーションすることができました。
また先ほど言った高林さんの展示会を通して、日本にも多くのアフリカ/コンゴ関係者がいることがわかりました。中には日本で利潤を生み出しながらコンゴの文化や精神性を発信しているコンゴ人もおり、現地に行かずとも日本にいるコンゴ人の方々とコラボレーションできる余地があるのだということに気付きました。
このようにコロナ禍で現地に行けない中でもコンゴとコラボレーションする可能性があるとわかったのですが、やっぱりそれでもいつかコンゴに行ってみたいです!
Q4. Congo Projectはどのような未来を見据えていますか?
ぼくたちは日本とコンゴで共によりよい社会になることをvisionとして掲げています。そして “日本コンゴ間で個人の想いをカタチにする”ことが共に“よりよい社会”を創ることに繋がるステップだと考えています。というのも、コンゴPがプロジェクトとして、2008年から13年以上続いているのはただ単に問題を発見・解決して終わるだけでなく、それよりも個人の想いを紡ぐことにフォーカスし、それを繰り返してきたからなのだと思います。そもそもコンゴPの発足自体もSFCの英語教師であるサイモン・ベデロ先生の「教育を通して母国に恩返しがしたい」という想いに応えることから、コンゴに小学校を建設する”コンゴ民主共和国Acadexプロジェクト”として始まりました。そして Acadex小学校が建設された後も歴代のOBOGが個人の想いをCONSOL研修やGOENレストランなどのようなカタチにしてきたから今もなおコンゴPが続いているのではないでしょうか。
お金も専門性も持たない大学生が橋を建設する、や何千人もの子どもに対して食料を供給するなどの大規模なアクションを起こすのは難しく、このような大規模な問題にはJICAや大使館などの行政がトップダウン式に取り組みます。これに対し、大学生は何も持っていないからこそ、個人の想いに寄り添い、地域住民や民間の想いをカタチにすることが可能であり、これが学生に課せられた役割の一つなのだと考えています。
現在コンゴPはオンライン上で日本コンゴ間の個人の想いがカタチになるプラットフォームを作ろうとしており、そのプラットフォームを起点に多くの人の間でコラボレーションが生まれるようになることを見据えています。そしてもう一つの活動として2019年のOBF(Open Business Forum)で優勝したコンゴ人に向けた日本研修プログラムの作成に取り組んでいます。以前にもコンゴPがコンゴ人に対して日本研修をプロデュースしたのですが、その成功モデルに触発され、次に開催されたビジネスコンテストで多くのコンゴ人が参加しました。今、そこで優勝した新たなコンゴ人に向けて新たな日本研修を行う段階におり、この日本研修をカタチにすることで、更に次のコンゴ人アントレプレナーが出てきます。
現在の日本研修プログラムの発端のように、個人の想いがカタチになることで他の人の心に火をつけ、そこでまた新たな想いが生まれます。このように想いをカタチにしていくことが連鎖していくことで社会がよりよくなっていくと考えています。加えてこの日本とコンゴが協働する過程でコンゴからみた日本の問題なども浮き彫りになり、結果的に日本とコンゴの両国にとってよりよい社会が実現されるのを見据えています。
Q最後に、Congo Projectに興味を持って頂いている学生の方に一言お願いします。
現在コンゴ民に渡航することが難しい状況ですが、ぼくたちと共にオンライン上でコンゴ民とコラボレーションをする可能性を模索したい方大募集です!